千葉県 その他,畜産物,野菜・花き
新技術で肉も野菜も食品添加物不使用のおいしい冷凍に
柔らかい牛肉と野菜の甘味のハーモニーが絶品な「牛肉のロティーポワレ野菜添え」。真空適温調理の実力は、特に肉料理で発揮される。
農業者団体が、新たな技術(真空低温調理法)を導入し、また、商品開発等のノウハウ・販路のネットワークを持つ企業との連携により、主に外食店向けの国産農畜産物の加工・販売に進出することで、原材料の付加価値向上を目指す取組
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真空適温調理で欠かせない、加熱処理用の「スチームコンベクション」。他にも調理過程に応じた大型機械が並ぶ。
飲食店や老人ホームへ加工食品を卸す株式会社ピュアディッシュは、製法に「真空適温調理」を取り入れている。これは、材料を入れた真空パッケージを65度から95度の間で加熱するため、野菜・果物・肉といった素材の栄養素を壊さず、食感や風味が損なわれにくいという調理法だ。硬い部位も柔らかく調理できるため、パサつきやすい鹿肉の赤身なども美味しいジビエ料理に仕上がる。さらに、真空で密封すると味が素材に浸透しやすく、塩分なども控えめに済む。高温・高熱で調理するレトルト食品とは一線を画し、素材の魅力をストレートに伝える熟練シェフの本格料理のような加工食品を作ることができるのだ。
実は、「真空適温調理」自体は技術的に新しいわけではない。同社のこだわりは、加工食品でありながら国産・食品添加物不使用という点にある。製造の現場では栄養士による徹底した品質管理が行われており、原材料から安心な食品が求められる現代のニーズに応えている。
さらなる強みは、これらの条件を満たしたまま冷凍で商品化しているという点だ。まだ前例が少なく、現在の外食産業から差別化する手段として興味を持つバイヤーは多い。冷凍野菜が湯煎で美味しく解凍できるなど、高い完成度が評価されている。
[ジビエの鹿肉カレー]柔らかく、素材本来の味が引き立つ。
同社商品の原材料は、JA全農ちばを中心としたJAグループにより提供され、千葉県内の工場で様々な商品へ加工されている。その際、規格外産品を積極的に活用するのもこだわりの一つだ。丹精込めて作られた農畜産物を無駄なく美味しく利用し、生産者と消費者を繋ぐ架け橋となっているのだ。
同社が展開する商品は、筑前煮やサバの味噌煮といった和食のほか、鹿肉などのジビエ料理にも力を入れている。専門店でしか出せない料理を美味しく簡単に、しかも一年を通して提供できるなら、様々な出店業態の可能性が広がるだろう。
現在仕入れの拠点は千葉県だが、ゆくゆくは第二、第三の工場を造り、全国展開するのが同社の展望だ。さらに、無添加にこだわる企業との提携や、社食の店舗供給など販路を広げ、今後も原材料の付加価値向上に取り組んでいく。
[サバの味噌煮(白)]しっとりとした口当たり。塩分控えめもうれしい。
厳選された国産素材を丁寧に仕込み、真空パックへ包装。適温加熱が加えられた後、すぐに急速冷凍される。
[鶏のベジハンバーグ]
[リンゴのコンポート]
2014年7月、国産農畜産物の付加価値向上を目指し同社を設立。真空適温調理法の導入や、商品開発等のノウハウ・販路のネットワークを持つ企業と連携しながら事業に取り組む。
2015年3月 現在