福岡県 野菜・花き
生活を彩る花と緑を提案 元気な植物&マルシェ。
彩り豊かな季節の花々を寄せ植えした鉢が並ぶ店内。
福岡県の花苗・野菜苗生産者が、自社が有する加工ノウハウや販路を活用した花卉加工品製造・販売、園芸店運営を展開し、生産から販売までのバリューチェーンを形成することで、農産物の付加価値向上、消費拡大を目指す事業
マルシェには周辺農家が丹精込めて作った新鮮野菜が並ぶ。
エコマルシェオニヅカ(株)は、花苗、野菜苗の生産・卸・販売を手がけている㈲オニヅカバイオシステムから、福岡県筑前町の園芸専門店を独立させる形で2016年に設立された。会長の鬼塚氏は、植物の販売に加え、園芸で彩られた癒し空間で、周辺農家の無農薬や有機栽培の野菜を提供したいと思い、「元気で活きのいい植物&マルシェ」を立ち上げた。
店舗のコンセプトは「何でもある楽しい店」田園風景の中に約1haの広大な敷地を構えている。寄せ植えの達人として知られている同社の井上社長が店長も兼任し、季節を感じさせるアレンジで楽しませてくれる。店内はさまざまなインテリアに合うガーデン雑貨が取り揃えられ、周辺農家から毎日届けられる新鮮野菜が並ぶ。また、色とりどりの花に囲まれたカフェでは、スムージーや焼き芋アイスが人気を呼んでいる。
定期的に行われるワークショップや寄せ植えなどの園芸教室は、お客様にも好評だ。さらに春と秋に近隣の店が60店舗以上出店する「オニフェス」や「夏祭り」など来訪客は年間3万3千人強、売り上げは1億円超にまで成長している。
花に囲まれた癒し空間のカフェ「morrow」。色が綺麗なエディブルフラワーも販売中。
同社会長の鬼塚氏は親会社の㈲オニヅカバイオシステムを1995年に創業した。花や野菜の苗を、市場を通さずに販売する生産流通システムを構築し、年々会社の規模を大きくしてきた。現在、1.5haの広大な敷地を有し、ハウス内に床暖房を施設するなど生産方法を工夫し、主な出荷先のホームセンター需要に対応できる大量の生産体制を整えている。
当初、井上社長も苗の販売を手掛けており、花をより良く見せるため、試行錯誤することで寄せ植えの技術力がついたという。その後ハンギングバスケットマスターの資格を取り、徐々に書籍やメディアに取り上げられるようになり、店舗をアピールすることでエコマルシェオニヅカ(株)の認知度が高まってきた。
2018年11月には、商業施設「マークイズ福岡ももち」内TSUTAYA店の一角に「IDEAL植物生活」という新店舗をオープン。「理想的な生活には植物を!」をコンセプトにした、観葉植物など生活提案型のショップとして注目を集めている。「近い将来、野球やピアノを習うのと同じように、子供たちが園芸を習える教室を行いたい」と井上氏。園芸をもっと身近な存在にしたいという思いが伝わってくる。
朝採れの新鮮野菜が並ぶマルシェ。ここにしかない希少野菜も多い。
お客様から評判の高い寄せ植え。
(有)オニヅカバイオシステムのハウスの地面下には、温水管を通した床暖房が完備。
井上氏が監修している書籍
「IDEAL植物生活」の店頭
鬼塚氏は、種苗卸売業から、農業に参入し、㈲オニヅカバイオシステムを設立。井上氏は近畿大学農学部卒業後に入社。農業研究生として渡米し、現在はエコマルシェオニヅカ(株)の社長を務める。
2019年2月 現在