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(株)柿の木冷温フーズ

長野県 林産物,野菜・花き

外食産業に高まる需要。旨み凝縮、冷凍カットきのこ。

冷凍カットきのこは、解凍後も豊かな食感と凝縮された旨味が特長。

冷凍カットきのこは、解凍後も豊かな食感と凝縮された旨味が特長。

事業内容

長野県のきのこ生産者が、冷凍カットきのこを製造し、給食・外食等事業者に販売を進めることで、生産から加工・販売へと繋がるバリューチェーンを形成し、原材料の付加価値向上を目指す事業

解説図

(株)柿の木冷温フーズ

(株)柿の木冷温フーズ

農産品の価格競争は激化の一途をたどっているが、当社は手塩が評価を受けない現状を脱したい。高品質、利便性などの特性を消費サイドに発信し、商品の付加価値にふさわしい適正価格での販売を目指す。また、協働できるパートナーも探している。

〒381-2225 長野県長野市篠ノ井岡田727-1

TEL:026-293-6550
FAX:026-293-6551

http://kakinoki-reion.co.jp/

効率性と利便性、高い風味は冷凍ならでは。

均等にカットされたえのき茸を真空パック後、急速冷凍を行う。

均等にカットされたえのき茸を真空パック後、急速冷凍を行う。

(株)柿の木冷温フーズは、えのき茸をはじめとした各種きのこのフレッシュ冷凍パックを開発・販売している。きのこの需要は冬場に集中するが、給食・外食市場においては一年を通してさまざまなレシピに登場する。同社はきのこ販売の平準化、さらなる通年需要の喚起を目指し、事業に取り組んでいる。

冷凍カットきのこのメリットは、入荷時の劣化ロスや雑菌繁殖の心配がない点と、調理時の効率性や利便性が高い点だ。きのこは収穫後、カット・選別処理を行い、鮮度を活かした仕上りにするため非加熱のままIQF急速冷凍を施す。バラ凍結のため、袋を開けるとそのまま加熱調理に使うことができ、解凍・下処理の手間の必要もない。また、急速冷凍により細胞壁の破壊を最小限に抑えられ、流通の生鮮パックより収穫時に近い旨みと食感を実現している。家庭用冷凍などの場合、より多くの細胞壁が破壊されるため食感が犠牲になる。賞味期間の長さと、風味・食感が秀でている点が、試食会でも好評だ。

人の目と手で丁寧に栽培。新鮮な美味しさを安定供給。

えのき茸がある程度成長してくると、まっすぐ上に伸びるよう瓶ごとに紙を巻く。

えのき茸がある程度成長してくると、まっすぐ上に伸びるよう瓶ごとに紙を巻く。

きのこの生育は、温度管理や、風を送ったり光を当てたりと細かな作業が必要だ。一つ一つの要素が重量や傘のサイズに大きく影響する。特にえのき茸は難易度が高く、カビや雑菌に弱いため全滅の危険性と隣り合わせだという。どんなに小さな異変も見逃さないためには、人の目や感覚による観察が不可欠だ。同社では、菌床から良質なきのこの生育を長年手掛ける親会社、㈱柿の木農場の、特に甘みが高いえのき茸を使用している。この他しめじやエリンギ、ナメコなども生産者と提携し、鮮度を維持したまま、高い技術力で急速冷凍し出荷。高品質と供給の安定性が強みであり、多くの取引先に評価されているところでもある。

同社代表の清水氏によると、消費者は今後、家で調理することが減り、既成品を家で食べる中食や外食の増加が予想されるという。だからこそ、加工済み原料であるフレッシュ冷凍パックは食品製造の現場において需要拡大が期待できる。また、同社は乾燥えのきの生産も開始した。乾燥させると味が濃縮されるだけでなく、熱水抽出し、お茶として飲むと内臓脂肪の減少を助ける効果が認められている。国内販売のほか、海外輸出にも意欲的だ。きのこを多彩な姿で提案することで、同社は私たちの食をより豊かなものにしてくれるだろう。

代表取締役 清水 信夫

(株)柿の木冷温フーズ代表取締役 清水 信夫

プログラマーとして勤務後、法人向けWebサイト制作やITコンサルを請負う会社を設立。2012年、家業の㈱柿の木冷温フーズ代表取締役に就任。

2016年10月 現在