福島県 野菜・花き
農と食で五感を耕す トマトのテーマパーク。
豊富な加工商品は、口の中にトマト畑が広がるような新鮮な風味が自慢。
福島県の農業者がパートナーの加工ノウハウ・販路を活かして、トマト加工品の製造販売、直売所運営、レストラン運営事業に進出し、被災地の復興を目指す事業
太陽の恵みをたっぷりと浴びて育ったトマトは栄養も豊富。
福島県の太平洋側に位置するいわき市では、日照時間が長く、年間を通して寒暖差が少ないことから、トマト栽培が盛んに行われている。特産品であるトマトを前面に打ち出し、2016年にオープンした「ワンダーファーム」は、見て・触れて・食べることでトマトの魅力を体感できるテーマパークだ。
大自然に囲まれた広大な敷地には、さまざまな施設やアクティビティが併設され、開業以来家族連れや観光客で賑わっている。また、素材の付加価値向上を目指し、敷地内の加工場「森のあぐり工房」ではトマトを使用した加工品が生産されている。人気商品の、大玉のサンシャイントマトを贅沢に使用した、砂糖・食塩無添加の100%ジュースは、首都圏の高級スーパーマーケットのPB商品にも採用されている。そのほかにも、トマト本来の深い味わいを活かしたジャムやソース、ドレッシングなど、食材の味を引き立てる調味料類も多数展開し、販路を拡大している。
2.5haを誇る広大なトマト農園。オランダ式の施設園芸で、11品種を栽培している。
隣接するトマト農園では、ハウス内の温度や湿度、日照量、二酸化炭素濃度などの環境要因を統合的に判断・制御し、一元管理が行われている。また、化学農薬ではなく、自然由来の微生物の力を利用した安全性の高い栽培方法を採用。オランダで取得した最新鋭且つ高度な生育管理によって、品質の均一化や通年安定供給を実現している。
敷地面積2.5haの広大な農園では、9品種のトマトの収穫体験もできる。珍しい品種も多く、利用者は食べ比べをしながら収穫を楽しんでいる。また、バイキング形式のレストラン「森のキッチン」では、農園のトマトを中心に、地域の旬の食材を使った日替わり料理や、本格的な石窯で作る焼きたてピザを味わうことができる。さらに、芝生が続く開放的な広場でのガーデンバーベキューなど、ワンダーな体験が多数用意されている。
ドッグランや里山の整備、企業研修用の農園提供など、常に進化を続けることで、交流人口の増加、地域活性を目指す同テーマパーク。次世代に繋がる雇用の創出にも力を入れ、新しい農業への形を見出そうとしている。
大きなトマトのオブジェがユニークな広場には、バーベキュー設備を完備。
直売所「森のマルシェ」では農園で採れたトマトや加工商品、地元農家の野菜を販売。
レストラン「森のキッチン」。地元食材をふんだんに使用した料理を味わうことができる。
JR東日本で電気設備設計に従事後、トマト農家に転身。農業を身近に感じる体験型テーマパークの運営によって、農作物の付加価値向上、及び東北復興や地域活性に取り組む。
2017年7月 現在