鹿児島県 畜産物
熟成加工で唯一無二の旨さへ。 鹿児島県産「さつま福永牛」。
鹿児島県の熟成肉専門店「Gyu do!」では、旨味たっぷりの「さつま福永牛」を味わうことができる。
鹿児島県の和牛肥育農家が、地元生産牛肉としてのブランド化を図り、精肉販売に加え、熟成肉の加工販売を展開することで、原材料の付加価値向上と販路の拡大を目指す事業
〒895-2104 鹿児島県薩摩郡さつま町柏原1566番地1
事務所・加工場 TE L:099-260-2310 FAX:099-260-2437
牛舎は十分なゆとりを持たせ、暑さや寒さ対策も綿密に行われる。
(株)さつま福永牧場は、鹿児島県産の黒毛和牛の精肉販売や熟成肉、及び加工肉の販売を行っている。同社は牛を産地ではなく、「さつま福永牛」というブランド牛として広く認知されることを目指して流通の全国展開に取り組んでいる。
「さつま福永牛」は、肉質のきめが細かくとろけるような口当たりと、黒毛和牛本来の旨味が特徴だ。2013年の全国肉用枝肉共励会(東京)で名誉賞(最高賞)を受賞。国内に数多くあるブランド牛を抑えての“日本一”の称号を手にした。美味しさの秘密は独自の肥育環境にある。市場でセリ落とした生後10ヶ月の子牛を、同社代表の福永氏が営む(有)福永畜産にて30ヶ月(約20ヶ月間)まで飼育される。衛生面に配慮された牛舎はジャズやクラシック音楽が流れ、お腹を出して眠るほど牛がリラックス出来る環境だ。また、肥育時期によって種類を変える餌にもこだわりが強い。前期は国産稲わらやウイスキーかす、後期は肉に光沢を出す煎り大豆のほか、旨味の凝縮と向上が期待できる米ぬかを与える。出荷半年前には、とうもろこしを主原料として毎日10時間炊き続けて作る「炊き餌」を与え、さらに肉質を高めていく。
熟成庫は温度と湿度に細心の注意が払われ、常に肉の周りで空気が動く状態が作られる。
ストレスの無い環境と徹底した栄養管理のもと育てられた牛は、(株)さつま福永牧場の加工場へ出荷され、肩・モモ・スネ・ロースなどに熟成加工が施される。同社は完成度にこだわり、完全監視のもと最適な熟成日数を検討。試行錯誤を重ねた結果、約40~50日という日数に辿り着いた。熟成された牛肉はアミノ酸が増え、旨味がより濃厚となり、その肉質は非常に柔らかく風味が豊かだ。
今までは県外にある熟成加工施設を利用していたが、今後は鹿児島県内に設立した自社の熟成加工施設を活用し、牛の往復輸送費のコストダウンのほか、自社生産という新たな特色を生み出したいという。
来年以降、熟成肉の割合を少しずつ増やしていく予定だが、他店に卸すための精肉も引き続き扱っていく。こうした品揃えの多様さも、「さつま福永牛」の強みだ。さらに、今後は熟成肉を専門とする直営飲食店を増やし、より多くの人にこだわりの美味しさを楽しんでもらいたいと福永氏は語る。また、自社牧場で生まれた子牛を、飼育、加工、販売まで管理する一貫体制にも意欲的だ。最高の肉質と地元生産にこだわる同社によって、他にはまねできないブランドを築いていくであろう「さつま福永牛」から今後も目が離せない。
周囲に豊かな自然が広がる(有)福永畜産の牛舎では、現在950頭の牛が飼育されている。
主にとうもろこしを原料とする「炊き餌」が、「さつま福永牛」独特の旨味を作り出す。
出荷された牛は自社の加工場で丁寧に解体され、熟成用と精肉用に分けられる。
鹿児島県の熟成肉専門店「Bistro le Gyu do!」。「さつま福永牛」とワインを気軽に楽しめる人気店だ。
同社で「さつま福永牛」のブランド確立に取り組む。また有限会社福永畜産の社長も兼任し、肉牛飼育のほか、鹿児島県内にて熟成肉専門の飲食店を展開している。
2015年5月 現在