熊本県 畜産物
直営だから冷凍工程なし。一頭飼育のこだわり和牛。
チャンピオン牛を輩出した自社牧場から直送される、鮮度のよい黒毛和牛。
熊本県の和牛繁殖・肥育農家が、地場食材を利用した飲食店に対する消費者ニーズの高まりを背景に、自ら生産した黒毛和牛及び近隣農家による生産物を活用し、地産地消がテーマの外食事業及び精肉店事業に進出することで、原材料の付加価値向上と販路拡大を目指す事業
〒869-1224 熊本県菊池郡大津町大字町444番地1
〒869-1225 熊本県菊池郡大津町下町340
TEL:096-294-2911
斎藤氏と斎藤知亜紀取締役のこだわりが随所に感じられる、高級感と居心地のよさが同居する店内。
(株)グローバルワークス・サイトウは、斎藤氏が代表を兼任する(株)帆保畜産の出資により2014年に設立。熊本県大津町で『和牛焼肉LIEBE』と精肉小売店を運営している。どちらも牧場直営の強みを活かした、良質でリーズナブルな黒毛和牛が舌の肥えた消費者から評判だ。
ドイツ語で愛を意味するLIEBEという店名に込められているのは「笑顔がいっぱいで愛が溢れる店にしたい」という想い。一頭買いではなく一頭飼育、冷凍工程なしのこだわりの生肉を提供し、極限までロスを減らすことで、低価格を実現させている。また、メニューを安定させるより、その時々に提供できる鮮度のよい肉にこだわるために、自社牧場と加工、流通のパートナー企業である(株)杉本本店以外の仕入れはしていない。品質を求める人から支持されている所以だろう。
さらに、飲食後の併設精肉店での購入割引や外国人観光客の送迎などのサービスを次々と実施。そのアイデアと行動力こそ、斎藤氏の真骨頂といえる。
子牛の繁殖は命を生み出す仕事。病原菌対策や体調管理は万全だ。
斎藤氏が祖父の畜産農場を引き継いだのは25歳の時。両親から猛反対されながらも全寮制の農大に進学し、様々な紆余曲折を経てのことだった。だが、昔ながらの考え方の祖父とは、衝突を繰り返したという。転機となったのは2年前。餌や飼育方法を工夫して自ら育てた牛が、熊本県肉畜共進会でチャンピオンになったことで手腕が認められたのだ。
肥育牛のほか子牛の繁殖も手掛け、常に先を見据えて手間や投資を惜しまない斎藤氏。その表れが独自の衛生管理法や哺乳ロボットなどの導入だ。「牛の体調管理にも最善の注意を払い、働く側の作業効率を考慮することも大切」と力説する。実は飲食業への参入も、閉鎖的な畜産業の壁を打開するための挑戦の一つ。(株)グローバルワークス・サイトウという社名には、海外進出も視野に、グローバルに成長できる企業でありたいという願いを込めているという。「昔からの“常識”に捉われることなく、新しいアイデアを取り入れることで、良い方向へ向かうことはできる。そういうことを、これから畜産業を担っていく若い世代に伝えていきたい」と熱く語る斎藤氏。若き経営者が描く畜産業の未来は明るく爽やかだ。
さまざまな部位がお得に楽しめる人気のランチ定食。直営店ならではの贅沢なメニューだ。
牧場から生の状態で直送される牛肉は店内の加工場で部位ごとに丁寧に処理が施され、焼肉店と精肉店で提供される。
併設された精肉店。高品質な黒毛和牛は、ギフトとしても人気が高い。
2006年に祖父の牧場を引き継ぎ、2014年に株式会社化。同時に(株)グローバルワークス・サイトウを立ち上げる。持ち前の物怖じしない気さくな人柄で同業者の懐に入り込み、幅広い人脈を構築。小規模な家族経営の畜産ではなく、積極的に人材や設備に投資をする多角経営を進めている。
2018年2月 現在