北海道 果物
世界の美食の舞台へ。 余市で育む高品質ワイン。
生き生きとした果実味と、しっかりとした酸味は料理との相性抜群。
北海道のぶどう生産者が、地元産ぶどう等を原材料とした高品質なワイン製造を行い、高級レストラン・ホテルへの販売やパートナーの販路を活かした販売を行うことで、生産から加工・販売へと繋がるバリューチェーンを形成し、原材料の付加価値向上を目指す事業
2015年度はワインとスパークリングワインを合わせて15000本分生産。
北海道余市はテレビドラマの影響などでウイスキーが有名だが、実はワインの名産地でもある。醸造用のブドウ栽培を営む㈱平川ファームの出資で設立された(株)平川ワイナリーは、風土を活かした高品質なワイン醸造・販売を展開している。
同社代表の平川氏は、ブドウ栽培家、ワイン醸造家、そしてソムリエとしての顔を持つ。主にフランスに活動の拠点を置いていたが、ある時出会った余市産ワインの奥深い味わいと、料理との組み合わせに新しい可能性を見出したことがきっかけで、この地でのワイン醸造を志したという。栽培から販売まで、幅広い知識を有す平川氏ならではの技術力と発信力を強みに、北海道の食と観光のさらなる活性化に取り組んでいる。
平川氏は、良いワインの魅力は、ブドウが育った自然環境そのものを香りや味わいの中に映し出せるかどうかに表れると語る。その土地でしか造れない味わいや個性、造り手の愛情を表現し、そこに付加価値を感じてもらえるようなワインを目指していきたいという。
密閉性が高く、ブドウの酸化を防ぐステンレスタンク。味や香りに個性が出やすい木樽と使い分け、ブドウの品種に適した熟成を行う。
余市は冷涼な気候の北海道内でも日照時間が長く、ブドウの糖度や酸度が高まりやすい。また、9月頃から夜の空気が冷え出すことで熟成に適度なセーブが効き、渋みや色調に深みが増す。ブドウの熟期を最大限延ばしながら、ワイン醸造用としてバランス良く育つ環境にあるという。さらに、㈱平川ファームのブドウ畑では除草剤や化学肥料を一切使っていない。草やそこに住む微生物が作り出す構造が、根圏部の排水性や通気性に良い影響を与え、土壌も理想的な柔らかさになるという。恵まれた環境を活かし、生態系を尊重することで、根本から高品質のブドウ栽培を実現している。
現在(株)平川ワイナリーのワインは、星付きの美食レストランを中心にオンリストされており、今後は特に日本食との相性を重視した店舗での展開に力を入れていく予定だという。寿司業界など、地元ならではのマッチングにも積極的だ。また、全国各地のワインセミナーで商品を提案し、余市産ワインの認知度向上に取り組みながら、将来的には自身のキャリアのルーツであるフランスへの輸出も視野に入れているという。さまざまな食文化に寄り添う味わいを追求しながら、世界基準で高く評価されるワインを目指す平川氏。今後もその情熱はとどまるところを知らず、国産ワインの未来を牽引していくだろう。
(株)平川ファームは5haの畑を所有。そのうち4haで醸造用ブドウを栽培している。
一房一房、傷みがないか丁寧にチェック。高品質なブドウのみがワインに使用される。
現在主な商品ラインナップは白3種類、赤1種類、スパークリングワインなど。
東京農工大学農学部を卒業後、フランス国立農学大学院でブドウ栽培、ワイン醸造に従事。帰国後、北海道ワイン㈱に入社。2015年(株)平川ワイナリーを設立し、高品質ワインの製造・販売を手掛けながら、後継者育成にも取り組む。
2016年10月 現在