千葉県 林産物
海外で盛り上がる日本の植木・盆栽ブーム。高付加価値化して世界へ。
地元の職人が丹精込めて育て上げた植木・盆栽が、世界各地へ出荷される。
千葉県を中心に全国各地から調達した、植木、盆栽を高付加価値化し、欧州、アジアや北南米等の市場に輸出する事業
〒106-0044 東京都港区東麻布1-25-3
TEL:03-6459-1338 FAX:03-6459-1339
http://japanhort.com/
ゴヨウマツは、「盆栽=bonsai」として海外から注目されている。
近年、海外における日本の植木や盆栽の人気が高まっている。それらの大半の輸出に携わっているのが、ジャパンホートビジネス㈱の寒郡代表だ。
元々、日本の園芸業界は国内需要だけで十分満たされており、輸出入の必要性もなくそれに詳しい人間もほとんどいなかった。寒郡氏が海外へ目を向け始めたきっかけは、ハワイで行われた園芸見本市だった。そこで出会った現地のコンサルタントから依頼を受け、約13年にわたり日本への輸入の窓口を務める中で、海外輸出の可能性を見出したのだ。
アメリカや台湾、中国と比べて輸出に消極的だった日本だが、独特な植木や盆栽の世界的人気は想像以上のものだった。丁寧に手入れされた美しい樹木の造形は、アートとして世界的に評価され、需要も非常に高い。現在ヨーロッパにおいては、小さい盆栽を買い求める若者から本格的な日本庭園を作りたいという富俗層まで幅広い需要がある。
今までの輸出形態のように、海外のバイヤーが来日し、要求に見合った商品を選択し購入するという受け身のビジネスモデルでは商品の付加価値に見合った利益を獲得できない。そこで同社は生産者から直接商品を買い取り、海外へ主動的に販売することで、生産者への適正な利益還元に取り組んでいる。
中国の市場では、縁起が良いとされる千葉県樹・イヌマキ。枝の仕立て方に技術とセンスがいる。
植物の輸入に関する検疫は国により難易度が異なるため、その対処法もさまざまだ。特にヨーロッパでは、品種によって細かな条件が取り決められているため、いかに検疫をクリアできるかを10年がかりで考えてきたという。
また、バイヤーを介さない直接取引において相手方との関係構築も重要だ。日本の園芸業界は家族代々で受け継がれることが多く、ヨーロッパでもそういった業者が多い。この共通点を前面に出すことで、お互いの信頼性を高められるのだという。
しかし、国産植木や盆栽の価値を守り販売していくにはまだまだ課題を抱えている。適正な条件でビジネスを続けていくため、ブローカー的な側面のある業者より、海外の愛好家やエンドに近いバイヤーといった会社を選んで提携しているという。中間マージンを極力少なくするため、造園業者やそれに近い業者と売買し差別化を図っているのだ。今後も新たな市場を開拓しつつ、植木を通して日本文化の奥深さを世界へ広めてくれるだろう。
[イヌマキ]
中国の富裕層に人気が高く、バイヤーが頻繁に買い付けに来る。時にはこのような立派な木も売れることがある。
[ゴヨウマツ]
EUの輸出基準では、地面から50cm以上の高さで2年間栽培する必要がある。
[キャラ]
地植えで1 年栽培した後、最終検査で虫がついていなければEUへ輸出ができる。
[サザンカ]
中国・ヨーロッパともに人気があり、大きなサイズが好まれる。
国産の植木や盆栽を世界へ輸出するべく、2013年に本事業を設立。同社代表のほか、家業である北総園芸にて専務取締役、1996年に立ち上げたNRTガーデンプロダクツにて代表取締役を兼任
2015年4月 現在