A FIVE

前のページに戻る

もったいねーべ(株)

茨城県 野菜・花き

規格外品も無駄なく商品化。 こだわり製法で生まれた、 スウィーツのような干し芋。

主力商品の干し芋は、素材本来の甘みを最大限に生かした濃厚な味わいが特徴。

事業内容

茨城県のサツマイモ生産者及び栗生産者が、パートナーが有する新たな加工ノウハウと販路を活用し、地元原材料を利用した干し芋、ペースト等の加工品の販売に進出することによって、農産物の付加価値向上を目指す事業

解説図

もったいねーべ(株)

もったいねーべ(株)

〒319-0106 茨城県小美玉市堅倉1675-15
TEL:0299-56-2233

「もったいない」精神で農産物を最大限に活用。

栄養価に優れた干し芋は、こどものおやつや、大人の健康食品としてもぴったり。

栄養価に優れた干し芋は、こどものおやつや、大人の健康食品としてもぴったり。

茨城県は、全国でも有数のサツマイモや栗の大規模産地だ。その出荷形態は青果が中心であり、規格外品は商品化されないことが多かった。「もったいねーべ㈱」は、そんな状況を考慮し、同社代表の稲田氏を中心に、地元の農家や企業の協力により設立された。契約農家が育てた農作物をまるごと買い取り、規格内品は干し芋やむき栗として利用し、規格外品はペーストなどの原材料として活用。今まで収入にならなかった規格外品も商品化し、有効活用することで、生産者の所得向上や地域活性化に貢献している。

主力商品である干し芋には、高糖度で肉質がしっとりとした紅はるかを採用。また、傷を修復するキュアリングという技術の導入でサツマイモの長期保存を可能にし、でんぷん質の糖化にできるだけ長い時間をかけられる環境を築いた。さらに減圧乾燥機を用い最大限に甘味を引き出された干し芋は、黄金色が目に鮮やかで、柔らかくしっとりとしている。従来品とは一線を画す濃厚でスウィーツのような仕上がりは、同社製品の強みの一つである。

技術力で通年供給に挑戦。干し芋を全国から世界へ。

減圧乾燥機の圧力や温度の適正値を見定め、短時間生産と質の高さを両立。

減圧乾燥機の圧力や温度の適正値を見定め、短時間生産と質の高さを両立。

自身も技術畑出身の稲田氏は、イノベーションによる事業推進を常に念頭に置いている。干し芋製造には、代表を兼務する株式会社テクモアが開発した減圧乾燥機を導入。減圧により組織を壊さず味を凝縮できるうえ、従来の天日干し製法の1~2週間という製造期間を一日に短縮することに成功した。さらに、完成品を大量に冷温保管できる倉庫を構えて通年供給にも挑戦。「冬の食べ物」という常識を覆すことで新たな市場を開拓し、地域ブランドの向上も目指している。また、サツマイモや栗が不足するシーズンは、他の果物を使ったドライフルーツの製造に取り組み、工場を一年中稼働させることも目標の一つだという。

稲田氏は、消費者にとって干し芋がより身近になるような販売戦略にも意欲的だ。例えば、気軽に買えるよう小さくパッケージ化したり、女性が食べやすいようスティック状にカットしたり、購買意欲を高める商品開発にも努めている。また、イスラム教の教えに則ったハラールの認証も取得し、将来的には海外にも工場を設立することで販路拡大を目指す。今後も、さらなる技術革新とともに邁進していくだろう。

代表取締役 稲田 正行

もったいねーべ(株)代表取締役 稲田 正行

日立製作所の技術者を経て同社を設立。地元農家や企業と協力し、規格外品を含めた加工商品化等による原材料の付加価値向上に取り組む。

2016年1月 現在