京都府 野菜・花き
鮮度を守る冷凍技術で、 希少な京野菜を通年で。
冷凍とは思えない瑞々しさが楽しめ、さまざまな料理の素材として活躍する。
京都府の野菜生産者が、自らが生産した京野菜を原材料として、パートナーのノウハウを活用した冷凍京野菜を製造することで、新たな市場を開拓し、農産物の付加価値向上、安定販売を目指す事業
〒621-0252 京都府亀岡市本梅町中野流田10番地1
TEL:0771-26-8011
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ベルトを振動させながら風を当てパラパラに凍結できるラインフリーザー。
こと京野菜(株)は、九条ねぎの生産・加工・販売を手掛けること京都(株)と、総合エネルギー企業の岩谷産業(株)により、2015年に設立された。同社は、高度な冷凍技術を求めていたこと京都(株)と、自社の冷凍加工事業のために国内の野菜生産者を探していた岩谷産業(株)のニーズが合致して生まれた新事業で、現在京野菜の冷凍加工販売を手がけ今後は生産も行う予定だ。
同社の冷凍九条ねぎは、香りと甘さが凝縮された独特のぬめりを持つ、九条ねぎの魅力がそのまま生かされているのが特徴。生と遜色のない色、つや、風味を一年中楽しめる。それを可能にしたのは、凍結後もパラパラでシャキッとした美味しさを誇る、岩谷産業(株)の「フレッシュアイ製法」と「ラインフリーザー」だ。フレッシュに近い品質が実現したことで、季節ものだった京野菜を通年供給できるようになった。また、必要な分だけを効率よく使用できるバラ凍結により、ロスを減らせる利便性も需要を押し上げている要因だ。当初は九条ねぎの冷凍だけを想定していたが、話し合ううちに、京野菜全般に広がっていったという。
季節とともに味が変化する九条ねぎ。旬は1月から2月だが、春はやわらかく、夏から秋はピリッとした辛味が楽しめる。
代表の山田氏は、元々家業である農業を継ぐつもりはなかったが、農業を一つのビジネスと捉え、1億円の売上目標を掲げて就農を決意したという。
しかし、初年度の売上は目標にほど遠かった。その後、種まきから収穫までのサイクルが早い九条ねぎに特化することで順調に売上を伸ばし、次なる策として取り組んだのがカット加工。時は、まさにラーメンブームで、素材にこだわるグルメな東京のラーメン店に絞り営業をかけたところ、狙いは的中。産地偽装や中国食品への不信感が高まっていたことも追い風になり、業績は右肩上がりが続いた。売上目標の1億円を達成し、今や10億円に届く成長を遂げている。
一年を通して九条ねぎを提供するため、京都府内で収穫時期の異なる産地リレーを行い、さらに冷凍技術を取り入れ安定供給を実現。また、独立支援研修生制度によって生産者を増やす取り組みを行い、気候や自然災害などの不作リスクにも備えている。
こと京野菜(株)では、旬の期間が短く日もちしないため生産者が少ない幻の京野菜についても、冷凍による流通を模索している。農業をビジネスとして捉え、次々に目標を達成してきた山田氏。海外展開など、より大きな目標に向かって日々進化を続けている。
カット後、バラバラの状態で冷凍され袋詰めされる九条ねぎ。金属探知と計量は同時に行われている。
冷凍された京野菜は、マイナス24℃ほどの冷凍庫の中で保管。
万願寺唐辛子の市販用パック。下処理不要で時短調理の強い味方だ。
京野菜農家の次男として育つ。家庭の事情も相まって32歳でサラリーマンから転身。九条ねぎにこだわった戦略で業績は急上昇。九条ねぎ商品を中心に、こと京都(株)、こと京野菜(株)など、ことグループ4社を展開している。
2018年8月 現在