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くしもと両濱(株)

和歌山県 水産物

美しい海で育まれる南紀串本の生ひじき。

煮物やちらし寿司、ハンバーグの具など、料理に活用しやすいひじきは食卓の名脇役。

煮物やちらし寿司、ハンバーグの具など、料理に活用しやすいひじきは食卓の名脇役。

事業内容

和歌山県の漁業者団体が、パートナーの販路等を活用して、和歌山県南部産の魚類(クロマグロ)・海藻(ひじき)等の加工・販売と、規格外魚の鮮魚パックとしての販売により、原材料の付加価値向上と販路拡大を目指す事業

解説図

くしもと両濱(株)

くしもと両濱(株)

〒649-3503 和歌山県東牟婁郡串本町串本1884

TEL:0735-67-7338 FAX:0735-67-7337

安全安心な国産品の通年安定供給を実現。

パック詰めは一つ一つ丁寧に手作業で行われている。

パック詰めは一つ一つ丁寧に手作業で行われている。

本州最南端、和歌山県串本町の和歌山東漁業協同組合が主体となり設立されたくしもと両濱㈱は、海産物加工食品の製造販売事業を展開している。背景には、海産物の価格が漁獲量に左右されやすいという課題があった。そこで同社は、自ら販路を開拓することで通年安定供給を行っている。
主力商品は天然の生ひじきだ。近海の水温が生育に適しているため高品質なものが毎年春に収穫でき、太くて柔らかいのにコシがあると、高く評価されている。また、国内市場のひじきは乾物も含めて約9割が韓国・中国産であり、わずか約1割にすぎない国産物は、食の安全性に対する意識が高まる時代の注目食材だ。
現在、小分けパックも手掛け、そのまま店頭に並べられる点が大手量販店から好評を博している。さらに、他社との差別化を図ったフリーズドライのふりかけや惣菜品、冷凍食品なども幅広く検討しており、消費者ニーズに応える商品づくりに余念がない。

好漁場の強みを活かして海外輸出も視野に。

春先の黒潮に乗って北上するカツオを、「ケンケン釣り」で一匹ずつ釣り上げる。

春先の黒潮に乗って北上するカツオを、「ケンケン釣り」で一匹ずつ釣り上げる。

太平洋に面する串本町は、黒潮の恩恵を受けて、古くから漁業の町として栄えてきた。漁協での海産物の種類も、ひじきのほか、伊勢海老やサンマ、アワビなど多岐にわたる。特にカツオは例年約1,000トンと漁獲量が多く、漁協の売上全体の3〜4割を占める主力魚種だ。船を走らせながら疑似餌でカツオを一本釣りする漁法、「ケンケン釣り」は串本町が発祥とされている。また、クロマグロの養殖を行う大手事業者も複数参入し、年間の出荷量は約2万匹にのぼる規模と言われている。
同社は今後、地元の養殖漁業者から仕入れるクロマグロの加工販売事業も予定している。ブランディングに力を入れ、商品数の拡充にも意欲的だ。また、多くの漁業者と連携することで、豊富な海産物の取り扱いを目指し、海外輸出も視野に入れている。
その土地でしかつくりだすことができない唯一無二の味は、品質や希少性を好む現代の消費者にとって非常に魅力的なものだ。美味しい加工食品による地域ブランドの確立で、同社は串本町をさらに活性化させていく。

代表取締役 吉田 俊久

くしもと両濱(株)代表取締役 吉田 俊久

和歌山東漁業協同組合の代表理事組合長を兼務。漁協が主体となった水産物の加工・販売事業によって、地域の経済発展や雇用促進に取り組む。

2017年3月 現在