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(株)MJビーフ

島根県 畜産物

黒毛経産和牛を「熟豊和牛」に。 熟成技術で旨味を凝縮。

適度に脂が乗った熟豊和牛。経産牛とは思えない柔らかさと旨味に定評がある。

適度に脂が乗った熟豊和牛。経産牛とは思えない柔らかさと旨味に定評がある。

事業内容

島根県の肉牛肥育農家が、再肥育した経産牛を活用し、熟成肉の製造・販売をすることで、原材料の付加価値向上を目指す事業

(株)MJビーフ

(株)MJビーフ

〒690-0048 島根県松江市西嫁島3丁目3番10号

TEL:0852-61-8006

HP:http://www.mj-beef.com/

ウェットエイジングで、旨味と柔らかさを付加。

経産牛の仕入れ先はブランド和牛の元となる九州産を主としている。

経産牛の仕入れ先はブランド和牛の元となる九州産を主としている。

2016年、島根県松江市にて設立された㈱MJビーフは、グループ会社の㈱熟豊ファームが肥育する黒毛経産和牛を活用し、独自の製法で熟成させたブランド肉、「熟豊和牛」の製造・販売を行なっている。
同社は黒毛経産和牛に健康的な飼料を与え約半年〜1年間再肥育し、経産牛特有の赤身肉を熟成し、風味豊かで味わい深い牛肉に加工している。部位ごとに真空パックを施し25〜30日ほど0℃の熟成室で保管するウェットエイジング製法を採用。ドライエイジングと違い、ロスが少なく歩留まりが良いという。熟成させることにより肉本来が持つ酵素の働きで肉質が柔らかくなり、芳醇な熟成香を楽しむことができる。霜降りとは違う凝縮された肉の旨味と甘味が特徴だ。赤身肉は、脂肪燃焼を促すLカルニチンやミネラルが豊富に含まれ、現代の健康志向の高まりを背景に注目を集めている。
現在、熟成加工したロースやヒレは関西圏の焼肉店やレストラン、ステーキ店などに販売し、それ以外の部位は、スーパーなどに提供している。高級イメージのある黒毛和牛として販売できるうえ、一般市場の交雑牛の相場に準ずる安価で取り引きできるため引き合いも多い。

血統を重視して経産牛を仕入れ、再肥育で新しい価値を生み出す。

適量の脂がつくまで、健康的な餌やストレスのない環境に気を配って再肥育。

適量の脂がつくまで、健康的な餌やストレスのない環境に気を配って再肥育。

同社の石飛会長は生家の酪農家を継ぐことになり、その後肉牛肥育、精肉販売と長年にわたり牛の世界と携わってきた。その中で、経産牛は固くて食肉に適さないため、加工肉に利用されることが多かった。しかし、安価で取り引きされ、付加価値が付けられる黒毛経産和牛に着目し、自社農場と委託農場で再肥育の頭数を増やしてきた。
「経産牛の買い付けは、主に九州全土の市場を廻って行っている。なぜなら各地を代表するブランド和牛のルーツが九州にあるからだ。仕入れる素牛は月齢45ヵ月以上の成牛なので、血統を重視して選別することが最も重要だ」と石飛会長は語る。肥育飼料は、自然由来のものにこだわり、発酵飼料などを取り入れている。ストレスの少ない環境で、愛情を込めて再肥育することにより体重が200kg以上も増加する。
同社、社長の村上氏は、「熟豊和牛は、旨味のある柔らかい肉だということを強くアピールして販路を開拓していきたい。そのためには、経産牛に対する意識を変えていくことが必要だ」と言う。東京への出荷も視野に入れ、事業拡大に向けて意欲的に取り組み始めている。

代表取締役会長 石飛 盛夫(左) 代表取締役社長 村上 美津子(右)

(株)MJビーフ代表取締役会長 石飛 盛夫(左)

代表取締役社長 村上 美津子(右)

40年以上、牛の事業に携わっている石飛会長と、その右腕として重責を担う村上社長。経産牛の新たな価値を見い出し、ブランドを構築している。

2019年1月 現在