A FIVE

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(株)米心石川

石川県 米・穀類

地域色を活かした商品展開で、県産米の消費拡大を促進。

[能登牛焼き肉弁当]弁当商品には、石川県産の米と食材をふんだんに使用。

[能登牛焼き肉弁当]弁当商品には、石川県産の米と食材をふんだんに使用。

事業内容

農業者団体が出資する事業者が、組合員等が生産する石川県産米を使用した寿司加工品等の新商品開発や、直売施設を出店し、新販路を拡充し、新しい生産者との連携、付加価値の高い販売を行う事業

                  

解説図

(株)米心石川

(株)米心石川

〒920-0364 石川県金沢市松島1丁目1番地
TEL:076-240-5788 FAX:076-249-3934
HP:http://www.beishin-i.co.jp/

消費者の生活を見つめ、炊飯事業拡大を決意。

美味しさが評判のおにぎりは、金沢駅構内直営店でも好評。

美味しさが評判のおにぎりは、金沢駅構内直営店でも好評。

㈱米心石川は、県内3つの米卸会社と炊飯会社が統合した事業体だ。精米・玄米商品をはじめ、石川県産の米を原料とした寿司飯やおにぎり、弁当などさまざまな商品を展開。加工による高付加価値化を行い、駅中や新たな直営店舗展開による販路を拡大し、県内の米の消費拡大を目標としている。

同社はもともと農林業者のパートナーと共に米の商品開発を行っており、既に6次産業化のビジネスモデルを築いていた。さらなる事業の拡大を推進する背景には、炊飯事業への新たな方針があった。同社常務の津田氏によると、現在国内の米の消費量は下降傾向だという。ライフスタイルや食生活の変化により自宅で炊飯を行うことが少なくなり、コンビニなどで買える弁当や惣菜の需要が増えている。これらの消費は今後も加速していくと踏まえ、炊飯事業を筆頭に、寿司加工、弁当事業の拡大を重要な戦略と位置付けているのだ。

2015年春の北陸新幹線の開業効果で、同社の売上は着実に伸長しているという。特に現在メーンで扱っている寿司飯は、観光客に人気の回転寿司屋や丼屋からの注文が絶えない。また、県内で催されるイベント用の仕出し弁当も需要が増え、事業拡大にとって大きな後押しとなった。

高付加価値化で、地域産食材の魅力を県外へも。

オートメーション化された精米工場。なるべく手作業をなくし、異物混入などを防ぐ。

オートメーション化された精米工場。なるべく手作業をなくし、異物混入などを防ぐ。

2007年に設立された同社の炊飯工場は、ガスではなくIHを導入し、ほとんど人の手作業が入らないオートメーション化を実現している。ただし、自動的に制御、動作することは効率的だが、企業によって仕上がりが異なる寿司飯にはオーダーメードの注文に応えなければならない。扱う酢も各社異なるため、専用タンクの増強も必要だ。それらニーズへの対応こそ、米の高付加価値化の実現のため大切にしていきたいと津田氏は語る。

現在金沢駅構内の直営店舗には、県産米をはじめ能登牛や加賀野菜といった地域産食材を積極的に扱ったおにぎりや弁当など、地産地消を意識した商品が並ぶ。また、米粉を使ったロールケーキや焼き菓子などのスイーツ商品も展開している。

今後は収穫量が多く見込める米作りにも注力し、大きな価格変動を抑え、農家が安定した収益を得ることができる仕組みを作り炊飯事業を推し進めていく予定だ。その延長で商品開発や店舗展開にもこだわり、素材の魅力を直接消費者へ伝えていきたいという。生産から販売まで一貫して手掛ける体制を築き、ゆくゆくは首都圏や海外への進出も思索している同社の躍進に今後も目が離せない。

常務取締役 津田 睦美

(株)米心石川常務取締役 津田 睦美

石川県内の3つの米卸し会社と炊飯会社の統合により2007年同社を設立。県産の米を原料とする寿司飯や弁当などの高付加価値食品の開発、製造、販売を行う。

2015年7月 現在