A FIVE

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(株)五島ライブカンパニー

長崎県 水産物

陸上で高級魚を養殖。 五島の水産業活性化を担う。

クエの刺身はクセや匂いが少なく、ほどよく乗った脂が好評だ。

クエの刺身はクセや匂いが少なく、ほどよく乗った脂が好評だ。

事業内容

長崎県の漁業者団体及びその組合員の漁業者がクエやホシガレイを始めとした五島産水産物の販売、加工品の製造・販売を行うことにより、地域産品のブランド化を図るとともに、水産物の付加価値向上を目指す事業

解説図

(株)五島ライブカンパニー

(株)五島ライブカンパニー

〒853-0007 長崎県五島市福江町1190-5
TEL:0959-75-0171
http://www.goto-live.co.jp/

高級魚の味わいを、多くの人に楽しんでもらうために。

鍋の具材としても人気なクエ。ギュッと締まった身の食感とまろやかな旨味が楽しめる。

鍋の具材としても人気なクエ。ギュッと締まった身の食感とまろやかな旨味が楽しめる。

東シナ海の真ん中に位置し、九州南西部からの黒潮と対馬海流に乗って回遊する多種多彩な海の幸が自慢の長崎県五島列島。その一つ、福江島に社屋を構える㈱五島ライブカンパニーは、クエやホシガレイといった希少価値の高い高級魚の養殖・加工・販売のほか、近海で穫れる水産物の加工・販売を手掛けている。

養殖するクエは白身魚特有の上品な脂と旨味を持ち、天然物にも引けを取らない。また、地下海水のきれいな水を使った陸上養殖は、薬剤などを使わないため安心且つ美味しいと評判だ。関東圏ではあまり馴染みのないクエだが、このような魅力を積極的にアピールすることで、多くの人に美味しさを知ってもらいたいと同社代表の出島氏は語る。実際、個人消費者向けの「クエ鍋セット」を試験的に販売したところ、非常に高い反響を呼んでいる。

現在、関東や九州の飲食店に活魚を出荷しているが、今後は加工場をフル活用することで、市場のニーズに応じた生産・出荷が可能となる。鮮度を維持して販路を広げることで、地域ブランドの認知度向上にも努めていきたいという。

地下海水を活用し、クエ・ホシガレイを効率的に養殖。

豊富な地下海水をポンプで汲み上げ、養殖用水槽へ送る

豊富な地下海水をポンプで汲み上げ、養殖用水槽へ送る。

出島氏は、福岡県で自動車整備会社を経営していたが、生まれ育った五島列島の過疎化や漁業の衰退を目の当たりにし、地域の活性化に貢献するため養殖事業に着手。しかし、別業種からの起業は困難も多く、特に大きな課題となったのは季節により水温が激しく変化する海水への対処だった。クエやホシガレイは、海水の温度変化で成長スピードや健康状態に影響を受けやすい。そこで、井戸の掘削作業を約3年続け、ついに理想の水質を掘り当てることに成功し、地下海水を利用した陸上養殖の事業化を実現した。現在7本の井戸から汲み上げる地下海水は、年間平均20度を維持しており、クエやホシガレイにとって快適な環境であると言えるのだ。事実、同社のクエは成長が早く、出荷目安の3キロに育つまで通常は5年を要するのに対し、1年程早い4年で出荷できるように現在取り組んでいる。

同社はさらなる事業拡大のために、地元漁業者との連携にも意欲的だ。漁協が運営していた水産加工場の継承・活用のほか、豊漁時期の魚を水槽で蓄えておく「蓄養」により、漁業者が安定的に収入を得られるような仕組みも考慮している。地域の水産業が活性化するとともに、全国各地で五島列島の美味しい魚を味わえる機会も今後徐々に増えていくことだろう。

代表取締役 出島 誠

(株)五島ライブカンパニー代表取締役 出島 誠

福岡県で自動車整備会社を経営する傍ら、生まれ育った五島列島の水産業を活性化するべく養殖事業に着手。クエやホシガレイを中心に、地域ブランドの向上を目指す。

2016年2月 現在