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(株)ヴァンベールフーズ

福岡県 その他,畜産物

地域の魅力を全国へ。 養蜂で切り開く 能古島ブランド。

3種類の能古島産はちみつ。島特産の柑橘類や花々の香りが楽しめる。

3種類の能古島産はちみつ。島特産の柑橘類や花々の香りが楽しめる。

事業内容

福岡県の養蜂農家が、 はちみつ加工品の製造販売を行うとともに、パートナーの販路や営業ノウハウ等を活用し、はちみつ製品の新たな販路を開拓することによって、福岡産はちみつ及び農産物の付加価値向上と販売拡大を目指す事業

解説図

(株)ヴァンベールフーズ

(株)ヴァンベールフーズ

〒819-0012 福岡県福岡市西区能古1432-1
TEL:092-611-9628 FAX:092-611-9625
http://vanbeell.com/

花の島の恵みで育まれた、希少な国産はちみつ。

博多湾の中央に浮かぶ「能古島」。四季折々で楽しめる花々が観光客に人気だ。

博多湾の中央に浮かぶ「能古島」。四季折々で楽しめる花々が観光客に人気だ。

福岡市街地からフェリーでおよそ10分。地元民の身近なプチリゾートとして親しまれる福岡市・能古島は、一年を通して多くの人々で賑わう。花や植物が豊富なこの島で、㈱ヴァンベールフーズの親会社である㈱ヴァンベールは5年前より養蜂業と農業に取り組んでいる。

同社の蜂蜜「NOCOHACHI」は、市場では珍しく産地特定が可能だ。通常、蜜蜂は半径約2キロを移動してさまざまな植物の蜜を採る。その点、離島である能古島では、限定された植物だけで蜂蜜が作られる。輸入品の多い蜂蜜の国内市場は既に成熟しており新規参入者には厳しい状況だが、こうした地域独特の強みを前面に出すことで差別化を図っている。

同社が蜂蜜の製品化を始めたのは2年前であり、収穫量はまだ多くない上に、採蜜が出来るかどうかは天候や糖度に大きく左右されてしまう。そのため、納品数はどうしても少量となりがちだが、商品価値を理解してくれる島内外のパートナーの協力のもと、適正な利益を出しながら事業を推進することが出来ているという。

島一体のブランディングでさらなる活性化を担う。

純粋蜂蜜の糖度基準は78度以上。届かない場合は巣へ戻し、徹底した品質管理を行っている

純粋蜂蜜の糖度基準は78度以上。届かない場合は巣へ戻し、徹底した品質管理を行っている。

市場の多くを占める輸入品に対抗するには、地域性の点以外でも良さを伝えなくてはならない。そこで同社が力を入れようとしているのが、フロントの商品となる加工品の開発だ。例えば、和食に用いる調味料。同社が経営する福岡市内の和食屋「能古の旬」では料理に蜂蜜を取り入れており、風味を気に入った食事客が店頭の蜂蜜を買っていくことも多いそうだ。今後、料理研究家などプロの意見を聞きながら商品化を実現し、全国はもちろん和食ブームの海外にも販路を広げていきたいと考えている。

観光地である能古島において、企業は数える程しかない。よって、島の外への情報発信も同社の仕事だと代表の岩崎氏は語る。蜂蜜や加工品による認知度アップのほか、養蜂場や果樹園での収穫といった体験型ブランドを育て、島に訪れる人をどんどん増やしていきたいという。また、高齢化の進んだ農業や漁業を絶やさないために、同社が先進事例となり、若い世代が農業に関心を持つようなアプローチにも余念が無い。

今後㈱ヴァンベールフーズは島の中に自社加工施設を設立し、島の生産物の一次加工や、蜂蜜と組み合わせた加工新商品の開発を予定している。たくさんの自然の恵みとともに、同社は今後もさらに島を盛り上げていく存在となるだろう。

代表取締役 岩崎 秀昭

(株)ヴァンベールフーズ代表取締役 岩崎 秀昭

家庭菜園をきっかけに本格的な農業に取り組み始め、平成22年(株)ヴァンベールを設立。後に養蜂業と出会い、花々が豊富な能古島に可能性を見出し平成27年同社を設立。

2015年5月 現在