A FIVE

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(株)マンナン工房ひだ

岐阜県 野菜・花き

食感そのまま。用途広がる冷凍こんにゃく。

解凍後も本来の食感や味わいを保つ冷凍こんにゃくは、惣菜商品やおせちの具に大活躍。

解凍後も本来の食感や味わいを保つ冷凍こんにゃくは、惣菜商品やおせちの具に大活躍。

事業内容

岐阜県のこんにゃく芋の生産者が、自らの生産品を原料として、新たな用途である冷凍食品用のこんにゃく及び飛騨野菜ペースト入り刺身こんにゃくを製造し、新たな販路を開拓することにより、農産物の付加価値向上と販売拡大を目指す事業

解説図

(株)マンナン工房ひだ

(株)マンナン工房ひだ

〒509-2312 岐阜県下呂市御厩野1214-2

TEL:0576-26-0330
FAX:0576-26-3789

https://mannan.co.jp/

大学との共同研究で解凍後も本来の食感をキープ。

岐阜大学との共同開発による新たな製造方法で、適度な弾力となめらかな舌触りに仕上げていく。

岐阜大学との共同開発による新たな製造方法で、適度な弾力となめらかな舌触りに仕上げていく。

岐阜県下呂市は古くからこんにゃく芋が栽培され、質の良いこんにゃくの生産地だ。この地で(株)マンナン工房ひだは、加工冷凍用や業務用、刺身などのこんにゃく製造販売を手掛けている。長期保存が可能な冷凍こんにゃくのメリットを活かし、需要が少ない夏を含め通年生産することで、工場稼働率の平準化にも成功している。

同社代表の北野氏が冷凍こんにゃくの開発に取り組んだきっかけは、冷凍のおせちにこんにゃくが入っていないと気付いたことだった。ちょうど県内で6次産業化事業が活性していた時期でもあり、岐阜大学と共同研究する運びとなったという。

一般にこんにゃくを冷凍すると”す”が入り歯応えもなくなるが、同社の冷凍耐性に優れたこんにゃくは、製造工程でデンプン質とセルロースを加えることでそれを解決。解凍しても、本来のなめらかな食感や光沢を損なわず、美味しさを楽しめる。

現在の出荷先は、おせちなどを扱う冷凍食品メーカーや県内の温泉旅館など。特に惣菜メーカーでは、冷蔵でそのまま使え、品質を保ったまま冷凍もできる利便性や無駄の無さが好評だ。

経済効果と雇用創出で地域活性にも貢献。

こんにゃく芋が、原料に適した大きさに育つまで3年の歳月が必要。

こんにゃく芋が、原料に適した大きさに育つまで3年の歳月が必要。

こんにゃく芋栽培のメリットは、アクが強いためイノシシやサルなどが寄りつかず、鳥獣被害が出ないことだ。また、最終的な収穫まで掘り取りと植え付けを3年繰り返す手間が発生するが、一反あたりの収穫高はコメより多い。北野氏はこれらの強みを地元農家にアピールし、下呂市内での産地拡大と自給比率の向上にも意欲的だ。現在年間の収穫量は14~15トンだが、10年後には60トンを目指す。

地域の雇用創出にも貢献したいという北野氏は、安全・安心・高品質なもの作りができる環境と物流があれば、地方でも事業拡大は十分可能であると語る。今後物流に関しては、約1トン単位で納品できるルートを開拓し、全国展開に向けて動いていきたいという。

同社は現在も岐阜大学と技術提携を行い、飛騨牛と合わせた冷凍のすき焼きセットや、デザート用などの商品開発を進めている。糖質ゼロというこんにゃくの特徴を活かし、健康商品や低カロリー食品としての提案にも挑戦したいという。軌道に乗れば、病院食やドラッグストアでの展開のほか、中国をはじめとした海外輸出にも積極的だ。同社のさまざまな取り組みにより、冷凍こんにゃくへの注目度は今後も高まっていくことだろう。

代表取締役 北野 勝広

(株)マンナン工房ひだ代表取締役 北野 勝広

機械メーカー勤務を経て、㈲下呂特産加工に就職。2015年に(株)マンナン工房ひだを設立し、冷凍用こんにゃくや規格外野菜を活用した野菜ペースト入りこんにゃくの製造販売に取り組む。

2016年10月 現在