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(株)ヒロサキ

青森県 果物

採れたてのような瑞々しい果肉が自慢。産地直送のカットりんご。

皮を剥く作業がなく簡単に食べられるカットりんご。栄養価が高く、子どものおやつにも適している。

皮を剥く作業がなく簡単に食べられるカットりんご。栄養価が高く、子どものおやつにも適している。

事業内容

青森県の農業者が、地元で生産したりんごを使用し、カットりんごを始めとした新商品の開発や新たな販路開拓を行うことで、原料りんごの付加価値向上を目指す事業

解説図

(株)ヒロサキ

(株)ヒロサキ

〒036-8318 青森県弘前市大字八代町9-5
TEL:0172-88-7685 FAX:0172-88-7695
http://hirosakiap.com/index.html

果物離れを食い止める、加工品ならではの強み。

主にカットりんごには酸味の少ない「フジ」という品種が使われている。

主にカットりんごには酸味の少ない「フジ」という品種が使われている。

㈱ヒロサキは、りんご生産量日本一で知られる青森県の中でも最も収穫量が多い弘前市にて、りんご農家の会員生産者による出資のもと設立された。同社は、贈答用に使われるような秀品以外のりんごを有効活用し、カットりんごの製造加工・販売を行っている。使用されるりんごは、ほとんどが市内で収穫されており、ミネラルや食物繊維が大変豊富で県内でも特に味が良いと言われている。

このように栄養価にも優れているりんごだが、国内において果物全体の需要は低下傾向にあり、りんごの消費量も減少している。特に若い世代に顕著であり、その主な理由は「食べるまでが面倒」「ゴミが出る」「手が汚れる」等だそうだ。その点、袋から出してすぐに楽しめるカットりんごは、このような果物離れの原因となる不満を解消し、現在の食文化の多様化に適合していると同社代表の工藤氏は語る。

実際、カットりんごの需要は全国のスーパーや販売店、コンビニだけにとどまらず、国内やアジアの航空会社の機内食としても引き合いが高まっているという。今後は特に若い世代や女性、単身者のニーズに合わせた商品開発がキーポイントになるだろう。

需要高騰に対応すべく、一貫管理体制を強化。

1haの敷地を持つ自社農園では、6反分のりんごが生産される。

1haの敷地を持つ自社農園では、6反分のりんごが生産される。

㈱ヒロサキは加工だけではなく、園地を借り、りんごの生産事業への取り組みも始めた。今後は会員生産者のりんごと合わせての生産拡大が見込める。また、収穫されたりんごは、20キロ分の箱が6千箱収容できる自社の貯蔵庫で保管されているが、高まる需要に伴いさらに敷地が必要な状態だという。そこで同地域のりんご卸業者との共同事業により、さらなる貯蔵施設の拡大も計画している。

りんごは加工場にてそれぞれの規格に合わせてカットされるが、通常、皮を剥いて時間が経つとどんどん色が変わってしまう。これを褐変というが、同社は加工段階で天然由来成分を用いることで、通常のりんごよりも長く鮮度・品質を保つことができるという。

これら加工場での行程は、全て手作業で行われる。その分商品の質や評価は高く、さまざまなオーダーの規格にも対応できるが、効率を考え機械導入も検討中だという。昨今の大手コンビニではりんごを扱った商品が好評で、各社から多くの話がきている。そんな圧倒的需要量にも、機械化が進めば対応できる可能性が出てくるのだ。

生産、貯蔵、加工、流通の一貫管理により提供ができるのも同社の大きな強みである。人々の生活に手軽に食べられる美味しいりんごが寄り添うよう、同社は今後も手広い展開を行っていくだろう。

代表取締役 工藤 信

(株)ヒロサキ代表取締役 工藤 信

JA青森の会長を務めた後、同社代表に就任。地域資源を活用したカットりんご事業に取り組むなかで、雇用創出やB品、C品などの商品化、農業による地域活性に貢献している。

2015年6月 現在