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(株)キャロット&ベジタブル

千葉県 野菜・花き

農家がプロデュースする、 野菜の新しい楽しみ方。

「MERCATO(イタリア語で市場)」店内に並ぶ色とりどりの野菜たち。珍しいイタリア野菜の調理方法の紹介や試食会も活発に行われている。

「MERCATO(イタリア語で市場)」店内に並ぶ色とりどりの野菜たち。珍しいイタリア野菜の調理方法の紹介や試食会も活発に行われている。

事業内容

千葉県の野菜生産者が、パートナーの農産物調達、店舗開発ノウハウを活用した青果店、外食事業を展開することで、自ら生産する有機野菜を中心とした農産物の販路を拡大し、農産物の付加価値向上を目指す事業

解説図

(株)キャロット&ベジタブル

(株)キャロット&ベジタブル

〒286-0215 千葉県富里市立沢新田81-9
TEL:0476- 29-4842
HP:http://carrot-vege.co.jp/

MERCATO-contadino-
〒107-0052 東京都港区赤坂4-1-4
TEL:03-6277-7395
HP:https://e-mercato.net/shop/akasaka/

家庭の食卓を豊かに彩る野菜の専門店。

野菜を気軽に味わえるフレッシュなオリジナルスムージーも人気商品。

野菜を気軽に味わえるフレッシュなオリジナルスムージーも人気商品。

さまざまな国の飲食店が軒を連ねる日本でも、色彩豊かなイタリア料理は、外食だけでなく家庭料理としても人気だ。ところが、アーティチョークやコリンキーなど、イタリア野菜を購入できるスーパーや青果店はまだ少ない。㈱キャロット& ベジタブルは、そんな入手困難なイタリア野菜や希少品種を豊富に取り揃える専門店、「MERCATO(メルカート)」を展開している。野菜はほぼ全てが自社グループ農場や国内の契約農家からの直送品だ。

同店のコンセプトは、新たな食体験を提供する、農家発信型のコミュニケーション販売である。例えば、栄養豊富で青汁に使用されることが多いケールだが、同店ではやわらかい品種をサラダ用に生食でも勧めている。売れ筋にこだわらず、生産者目線で旬なものやそれらの味わい方を提案し、珍しい野菜も気軽に食卓に取り入れて欲しいという。季節に応じたバーニャカウダなど、セット商品の開発や、ポテト専門店などイートイン型店舗も展開予定だ。

素材本来の美味しさをこだわりの農法で提供。

緑肥は栽培した植物をそのまま土と一緒に耕し肥料にしたもの。外から異物を入れない完全な循環型を実現する。

緑肥は栽培した植物をそのまま土と一緒に耕し肥料にしたもの。外から異物を入れない完全な循環型を実現する。

千葉県富里市に自社グループ農場を構える同社は、野菜を常に最高の状態で店頭に並べることがポリシーだ。一般的に「採れたて」が一番美味しいと認識されがちだが、野菜によって状態が異なると同社代表の佐藤氏は語る。サツマイモ等はキュアリングという処理をして時間を掛けて味を高めるものもある。また、甘味ばかりを求める品種選択をしない。野菜本来の苦味こそ体に良いことも、店頭で消費者に啓蒙している。さらに、堆肥のかわりに植物の力を借りた緑肥を使用し、野菜のエグみを軽減。これらの工夫は、就業から7年間、多くの品種に挑戦し続ける中で蓄積したデータベースを元に見出したものだ。佐藤氏のIT関連事業経営の経験を活かした、この膨大なデータをさらに有効活用すべく、今後はシステム導入によるIT化も推し進めている。

また、飲食事業のプロデュースにも携わってきた佐藤氏は契約農家のブランディングにも意欲的だ。小規模でも本当に美味しい野菜づくりに取り組む農家の姿勢や背景を消費者に伝え、ファンを増やすことで、個々の力がさらに大きくなるようサポートをしている。

大手企業も農業に参入し始め、いずれ生産の現場でもビジネス感覚が必要になると佐藤氏は予想している。生産と販売が強く結びついた事業を通し、未来の農業を担う人材の育成にも貢献していきたいという。

代表取締役 佐藤 宣幸

(株)キャロット&ベジタブル代表取締役 佐藤 宣幸

IT企業経営の後バイアウト、都内飲食店経営後、千葉県で自社農場エヌエスファームを設立。有機JAS栽培に取り組み、2009年に認定農業者を取得。2016年に同社を設立し、農業と平行して野菜専門店経営を手掛ける。

2016年9月 現在