A FIVE

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(株)おおのミルク工房

岩手県 畜産物

酪農家だけが知る、生乳本来の味をお届け。

地元の人々に「美味しい」と言ってもらう「夢」を叶えるために、さまざまな加工品開発に取り組む。

地元の人々に「美味しい」と言ってもらう「夢」を叶えるために、さまざまな加工品開発に取り組む。

事業内容

地元酪農家が主導し、地域の生乳を原材料とした高温保持殺菌牛乳等に加え、地域特産品を活用したヨーグルト・ソフトクリームミックス等新商品の開発及び販路拡大を目指す事業

解説図

(株)おおのミルク工房

(株)おおのミルク工房

〒028-8802 岩手県九戸郡洋野町大野58-12-32

TEL:0194-77-4301

http://yumemilk.com/index.html

搾りたての美味しさを食卓へ届けるために。

大きなタンクで生乳に高温保持殺菌を施し、牛乳本来のコクと旨味を引き出していく。

大きなタンクで生乳に高温保持殺菌を施し、牛乳本来のコクと旨味を引き出していく。

岩手県北部に立地する洋野町は、県内でも酪農業が盛んな地域だ。㈱おおのミルク工房は、町おこしの拠点である体験型施設、「おおのキャンパス」の一角に位置している。同社は、経営困難に陥った乳業工場を存続するために酪農家16戸17人と酪農関係者たちが資金を出し合い、2005年に設立。地元産生乳を用いた牛乳・乳製品を製造し、地元を中心に販路を拡大している。

同社のシンボル的商品「ゆめ牛乳」のコンセプトは、「酪農家が自宅で、搾りたての生乳をお鍋でコトコト沸かして飲む風味」だ。それを再現するために、高温保持殺菌(85度・20分)を採用した製法を確立。大手の工場で主流となっている超高温瞬間殺菌(120~130 度・2~3秒)に比べれば手間も時間もかかるが、生乳の成分を極力傷つけず、本来のコクや旨味を引き出すことに成功している。牧場と加工場が近いことで原料自体の鮮度を保ち、確かな品質が地元に定着。商品は、小売店や高速道路SAのほか、学校給食、ホテルなどに提供されている。

酪農家とつくる高品質。多様な商品で販路も拡大。

独自飼料は、牛の搾乳量や繁殖力の向上にも成果を出している。

独自飼料は、牛の搾乳量や繁殖力の向上にも成果を出している。

同社に生乳を出荷しているいくつかの地元酪農家は、合同で乳牛用飼料工場を運営している。価格変動のあおりを受けやすい海外飼料ではなく、地元で安定的かつ安価に生産できる、デントコーンや牧草といった原料を利用して独自飼料を製造している。こうした取り組みも、同社が常に良質な生乳を扱うために欠かせない要素の一つである。現在、同社は一日に10~14トンの生乳を、「ゆめ牛乳」のほか、ヨーグルト、 アイスクリーム、プリンなどに加工している。さまざまな特長ある商品は、牛乳販売の拡大に直結し、酪農家の所得向上に地域一体で好影響を与え合う関係を築いている。

新商品開発や品質管理の強化・販路開拓に、より一層力を注ぎ、事業の安定・拡大を図っている同社。具体的には、地元特産物のイチゴや山ぶどうを活用したソフトクリームのほか、飲むタイプのヨーグルトなどを、管理栄養士や野菜ソムリエと共同開発し、さまざまな新商品を展開する予定だ。また、加工場においても、品質管理の世界的な基準となるHACCPの認証取得に取り組む予定だ。個性あふれる商品ラインナップや美味しさ、そして安全性を強みに、地元だけではなく全国で愛される乳製品づくりが期待される。

代表取締役 塩倉 康美

(株)おおのミルク工房代表取締役 塩倉 康美

2012年同社代表に就任。乳製品の製造・販売事業を通し、地元産生乳の付加価値向上や酪農家の所得向上を目指す。

2016年11月 現在