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(株)あおもり海山

青森県 水産物

持続可能な漁業の 未来を担う、 深浦産クロマグロ。

地元では「本マグロ」とも呼ばれる深浦産クロマグロ。ほどよい脂ノリと味に定評がある。

地元では「本マグロ」とも呼ばれる深浦産クロマグロ。ほどよい脂ノリと味に定評がある。

事業内容

青森県深浦町にて夏期に漁獲されるクロマグロを、柵加工・冷凍加工して需要期に新たな販路拡大を推進する事業

 

解説図

(株)あおもり海山

(株)あおもり海山

 

〒038-2202 青森県西津軽郡深浦町大字岩崎字松原193-2
TEL:0173-77-2102 FAX:0173-77-2450
HP:http://www.aomorikaisan.co.jp/

冷凍加工場新設で、旬の味を通年提供。

マイナス55度を保つ冷凍庫内には、処理済みのサク
のほか副産物も長期品質保持できる。

マイナス55度を保つ冷凍庫内には、処理済みのサクのほか副産物も長期品質保持できる。

ここ数年、農林水産省がマグロの年間漁獲量を制限し、クロマグロが貴重な資源となりつつある。そのような中、水産加工会社の㈱あおもり海山は、クロマグロの鮮度を最大限に活かした冷凍加工品を製造し、通年の安定提供に取り組んでいる。

同社が扱うのは主に深浦産クロマグロだ。青森県と言えば大間産クロマグロが全国的に有名だが、実は県内のクロマグロ漁獲量の約半分は深浦町で水揚げされたものだという。同社はその深浦産クロマグロをブランド化し、食の観光資源として育てることも目標としている。

通常、深浦産クロマグロの出荷時期は6月から9月頃である。そこで同社は、季節変動を抑えるために食品細胞の破壊を防ぎ、解凍時のドリップ量を少なくした冷凍加工技術を導入した。解体したクロマグロを急速冷凍後、真空パックにして冷凍庫に保管。正月など需要の多い時季にも出荷が可能な、通年提供を推進する。また、無駄を出さない処理方法にも力を注ぐ。一体当たりの廃棄率を10%ほどに止め、本来廃棄する部位である頭蓋骨や背ビレといった副産物の利用法についても研究を進めているという。

冷凍加工場のフル活用で、地域経済の発展にも貢献。

海の資源保持に配慮し、自然環境に優しく持続可能とされる定置網漁を取り入れている。

海の資源保持に配慮し、自然環境に優しく持続可能とされる定置網漁を取り入れている。

㈱あおもり海山が掲げる今後の課題は、冷凍加工場をさらに活用し、地域の漁師や農家との協業関係を築くことだ。既に龍飛や三廐などの津軽半島沖で獲れるマグロを取り扱っており、将来的には、県内で揚がるマグロの多くを同社経由で出荷することを目標としている。さらに、マグロ漁が落ち着く時季には、周囲の農家で採れる野菜を使用した加工品開発も計画中である。このような取り組みにより青森県全体の収益を少しでも上げ、後継者問題も改善していきたいと同社代表の堀内氏は語る。現状県内の漁業就業者の平均年齢は60代に差し掛かり、後継者不足に悩んでいる。また、自然相手の漁業は売上が左右されやすい。そのため、冷凍加工技術を利用して計画的な事業を行うことが、若者の漁業離れをくいとめ、地域を活性化させる鍵なのだという。現に、親会社㈱ホリエイでは、社員として20代の若者が多く就労している。

今後漁獲量が増えた場合は、直接お客様に深浦マグロの良さを伝えられるような業態に出荷していきたいという。さらに、アメリカやベトナムといった海外販路にも意欲的だ。制約のある状況でも工夫を凝らし、地域経済の成長をも支えていくであろう同社に今後も期待していきたい。

(株)あおもり海山代表取締役 堀内 精二

総合建設・水産事業を営む㈱ホリエイの代表も兼任。貴重なクロマグロを無駄なく有効活用し、深浦の漁業を活性化させるべく2013年本事業を設立。

2015年6月 現在